160年もの間受け継がれる、奇跡のしらす
和歌山県 和歌山
しらす創り七代目 山利
しらす創り七代目 山利
木村 尚博
七代続く老舗のしらす屋。代々受け継がれる素材の知識を元に、よりおいしく安全な商品への追求は、ミシュラン星付き店を始め、幅広い多くの方から支持されている。2020年、NEWoMan横浜に『しらす食堂 じゃこ屋 七代目 山利』をオープン。
普段はどのようなものを生産されていますか?
釜あげしらす、天日干しちりめん、ちりめん佃煮等、しらすの加工品を生産しています。
家業の歴史について教えてください。
しらす屋は家業で僕は七代目になります。継ぐことは必然ではなかったのですが、学生で上京し、東京のカルチャーに触れたときに自分のアイデンティティに気づかされ継承することを決めました。24歳で帰郷し、父の下で加工から現場管理を経て、34歳の時に父は現場を離れ、経営からすべての権限を任され今に至ります。
生産において、大切にしていること、こだわりはどのようなところでしょうか?
しらすの良い状態を見極め、常にしらすに合わせて人が動くことを意識しています。効率を意識すると人に合わせ、しらすを動かし始めてしまいます。そうすると本来の味を失ってしまうのです。しらすは鰯(いわし)の稚魚です。魚の中でも特に弱い魚の稚魚です。鮮度は水揚げされた瞬間から落ちていきます。1匹ずつ〆ることもできませんしね。だからこそ、本当に鮮度が大事でスピード勝負なんです。山利のしらすはしらすが船に上げられてから、30分以内に釜揚げしらすになって食べることができます。
今回のKABEATとのプロジェクトに関して、どんなところに興味を持たれ、共感されましたでしょうか?
食材はもちろん、その先の生産者にも目を向け、しっかりコミュニケーションをとり、それだけではなく優れたシェフとここでしかできないおいしいものを届けようというところです。ただ新鮮なものを陳列するだけではなかなか本来の価値は届けられません。皆にとってとても良いモデルだと思います。
味わって欲しいポイントなど、メッセージをお願いいたします。
食材がもつ本来の味を知って欲しいです。またそれは年中なんでも楽しめるのではなく、その季節、またどこから来てるのか、天気一つでも変わる味わいや風味を兜町で感じていただけたら嬉しいです。