北海道の温泉熱で育った大ぶり肉厚な舞茸

北海道 厚沢部

渋田産業

渋田産業

渋田 博文

清流と豊穣な大地に恵まれる厚沢部町で独自のノウハウによる「えぞまいたけ」の通年栽培を確立するとともに、天然温泉の熱源を温度管理に利用することで、無駄なCO2の排出を削減している。香りとうまみ、歯ごたえが特徴。

普段はどのようなものを生産されていますか?

北海道で温泉熱を使い「えぞまいたけ」を育ててます。「えぞまいたけ」は主に北海道で生産されている品種です。特徴としては大ぶりで肉厚な茎なので、加熱調理してもコリコリした歯ごたえがあり、ほのかな甘みも感じられます。色素が薄いので調理しても黒ずんだ煮汁が出にくく、お料理色合いもきれいに仕上がります。「えぞまいたけ」の他に生きくらげやシイタケなども育てており、北海道産の原料にこだわった生産をしております。

今のお仕事を始められたきっかけについて教えてください。

元々は地元を離れて東京で接客販売をしておりましたが、自分の父が作った「舞茸」を東京で見る機会がまったくありませんでした。それがあたりまえだと思っていましたが、ある時知り合いに実家の舞茸をプレゼントしたところとても喜んでくれたのと同時に、その大きさと味に驚きと感動を味わったと聞いて、改めて父の作った「舞茸」の凄さを知りました。それがきっかけで、もっとたくさんの人にこの舞茸を知ってほしい、このおいしさと感動を味わってほしいと思うようになり、35歳で脱サラして家業を継ぐことを決心しました。

生産において、大切にしていること、こだわりはどのようなところでしょうか?

北海道産の原料99%で舞茸を育てています。主原料となるオガクズは100%北海道十勝産の白樺のオガクズを使用し、舞茸の栄養源である小麦ふすまも100%北海道産のものを使用しています。もうひとつの栄養源の大豆粕ですが、こちらだけは国産のものを使用しております。ですので北海道産100%にはなりませんが、できる限り原料の生産地や製造者がわかるものを使用するようにしています。輸入原料などを使うと規格外の大きな舞茸は作れるのですが、自社では一切使っておりません。北海道の深山で採れる天然物の舞茸に近づけるため、なるべく北海道産の原料にこだわって、舞茸に無理なストレスを与えず、素朴にシンプルに「えぞまいたけ」を育てています。

今回のKABEATとのプロジェクトに関して、どんなところに興味を持たれ、共感されましたでしょうか?

コンセプトの「食」は人と人のつながりを作り、そこに楽しさや豊かさを見出してきたというところに強く共感しました。まさに「食」は人間の「豊かさ」だと考えています。食事はただお腹を満たすものではなく、原料や資材を扱う人、生産して収穫して梱包する人、発注管理する人、配送ドライバーの方、料理人の方、店頭スタッフの方など、いろいろな人の手を渡って、今それが口の中に運ばれるという奇跡なのです。それこそが人の繋がりであり、それぞれの想いが繋ぐ物語であると考えます。少し大げさかもしれませんが、普段なにげなくする食事も「あたりまえ」にならないように、常に感謝の気持ちと心の豊かさを持ち続けたいと思います。

味わって欲しいポイントなど、メッセージをお願いいたします。

私たちは「えぞまいたけ」を自分の子供のように育てています。出荷するときは「みんなにおいしいって言ってもらえたらいいね、いってらっしゃい」と心のなかで見送ります。そんな「えぞまいたけ」は北海道以外ではあまり流通していない舞茸です。一般的な舞茸特有のクセが少なく、ほどよい風味と深い旨み、ほのかな甘みを感じていただければ幸いです。コリコリした食感もまた小気味良いです。北海道から鮮度を保ちながらお届けしますので、ぜひおいしく食べていただければ嬉しいです。